岐阜に本社をもつハウスメーカー チェックハウスが運営する、カフェ+ライフスタイルショップ+ショール―ムからなる複合施設である。
「つなぐ家 -NEST-」 をコンセプトに、施設は地域に開き、周辺環境(施設)と、建物外部と建物内部、人と人との自然なつながりを意識して、入れ子状のデザインとし、公園のように通り抜けできる計画とした。※NEST:入れ子、巣(憩いの場、居心地の良い住まい)などの意
計画敷地は美濃加茂市、木曽川に並行し自然と歴史を色濃く残す旧中山道沿いの一角に位置する。
建物は商業施設として通行者への視認性を確保できるよう前面道路に面し、敷地形状に沿うように配置した。
また、プロジェクトテーマである「街に根を張る」及び社の思想である、「リゾートのような非日常性」を想起させる外構・植栽を建物内外に連動した。
具体的には、姉妹都市であるオーストラリア ダボ市からインスピレーションを受け、オージープランツと地域の植栽を混植配置し、施設全体の色彩を決定した。
平面計画は、建物の核となるホールを中心に、用途の異なる入れ子状の建物が内部に外部を取り込み、来客者に外部のような内部空間を意識させ、カフェ及びライフスタイルショップとショールームと異なる用途の建物を分断することなく大きなホールで覆うことで、一体性と個別性の両面をゆるやかにつなぎ、わかりやすい動線計画とした。
建物のスケールは、近隣に合わせて2階建てレベルとし、大きなボリュームである多面体のホールは、旧中山道に残る伝統木造建築の垂直と水平の意匠に倣い、壁面を透過材とすることで周囲環境への調和と存在感の緩和及び、交差点への見通し・安全性に配慮した。
また、各用途の建物をホールに貫通する家型(切妻屋根)とすることで、家づくりの会社であることを視覚的なサインとして表現した。
多面体のホールは、尺モジュールで中断面集成材によるシンプルな架構としており、大きなボリュームを目立たぬ材で支えるために、部分的に鉄骨の柱・梁を設けた。
水平力は鉄骨ブレースと面材を併用し外壁の透過性を確保し、ホールに貫入する入れ子状の建物は一般的な在来軸組工法としている。
環境計画的には建物への負荷を和らげるよう季節に適した樹木選定及び配置とし、自然光と風の通る断面(開口)計画とすることで、極力機械に依存しないことを目指している。
照明計画は内外で異なる色温度を採用し、夜間 入れ子状の建物であるショールームはショーケースを模したホールから際立ち、クローズ後は太陽光発電によりホール部が地域を見守る行燈のように照らすことを意図した。
用途:店舗、展示場
構造:木造一部鉄骨造
規模:地上2階 延べ床面積 402.51㎡























